お知らせ

2月 巻頭言「信仰の化学反応」

毎日のみことば2月号巻頭言
主任牧師 池田恵賜

「本郷台キリスト教会は祝福されていますね」という声を聞くことがあります。感謝なことです。教会は今年、創立59周年を迎えます。59年間、地域に根差して、教会がここまで導かれてきていることは本当に感謝なことです。

「本郷台キリスト教会の祝福の秘訣は何ですか?」と聞かれるならば、私は真っ先に「複数牧会です」と答えます。本郷台キリスト教会には、1990年代から池田博先生、池田登喜子先生、月井博先生、木島正敏先生、佐藤賢二先生、私と6人の牧師がいます。それぞれに賜物も違い、経験も、信仰歴も違いますが、30年近く同じ教会を牧する恵みにあずからせていただいています。
※複数牧会:一つの教会を複数の牧師で牧会すること

一言で「複数牧会」と言っても、なかなか簡単にはいきません。ときには意見の食い違いから議論になることもあります。しかし違いのある者同士が一致できたとき、違いは広がりとなるのです。そして、それぞれの信仰がお互いに影響し合い、まるで化学反応を起こすかのように、今まで考えもしなかったような新しい働きが始まるのです。本郷台キリスト教会での働きの広がりがまさにそれです。

ここに、複数牧会をしてきた中で感じた、いくつかの大切な要素を書き記しておきます。

「お互いに尊敬する」…複数牧会は、まずお互いを尊敬していないと成り立ちません。ピリピ2章3節に「互いに人を自分よりすぐれた者と思いなさい」とある通りです。

「自分に与えられた責任を果たす」…複数牧会では、それぞれが自分に与えられた責任を果たす必要があります。イエス様も弟子たちに「自分の十字架を負って、わたしに従って来なさい」(マタイ16:24)と言われました。それぞれが負うべき十字架、果たすべき責任を担うことなしに複数牧会はできません。

「未来に目を向ける」…ピリピ3章13〜14節には、「うしろのものを忘れ、前のものに向かって身を伸ばし……目標を目指して走っているのです」とあります。複数牧会では未来志向であることが大切です。過去の失敗や成功例に囚われたり、現在の相手の受け入れがたい部分を指摘したりするのではなく、「神の御国のためにしている」という未来的な視点を持つときに、必ず霊の一致点を見出すことができます。神の前に一点でも一致できれば、私たちは協力できます。

これらのポイントは複数牧会だけでなく、教会で2人、3人が協力して何かするときにも応用できます。

「二人は一人よりもまさっている。二人の労苦には、良い報いがあるからだ。」
伝道者の書4:9

これは結婚式のときによく開かれる箇所ですが、前後関係を読むと夫婦関係というより、仲間との関係について書かれた箇所であることが分かります。夫婦関係であっても、仲間との関係であっても、2人で協力して働くなら1人のときよりも良い結果が出るのです。ときに神様は、正反対のタイプの2人を組ませることが多いように思います。

自分と違うタイプの人と何かすることになったとき、誤解や衝突があることでしょう。でも、「神様はこの働きを通して、どんな新しいことをしてくださるだろうか」と考えると、違いを楽しむことができるのではないでしょうか。2人、3人が集まり、「神の栄光のみわざのために私たちの関係を用いてください。」そのように祈り合うなら、教会には無限の可能性が広がっているのです。

SNSでシェアする